倉庫のデッドスペース活用術

倉庫運営において「スペースの有効活用」は永遠のテーマといえます。

保管効率を高めようとしても、どうしても「使われていない空間=デッドスペース」が発生してしまうのが現実です。

デッドスペースを放置していると、倉庫全体の保管能力が下がるだけでなく、無駄な移動や作業の非効率につながります。

逆に、このデッドスペースをうまく活用できれば、追加投資を抑えながら倉庫の収容力や作業効率を大きく向上させることが可能です。

今回は、倉庫のデッドスペースを効果的に活用するための具体的な方法や事例について詳しく解説します。


デッドスペースとは?

「デッドスペース」とは、倉庫の中で物理的には存在するものの、

日常の業務でほとんど使われていない空間のことを指します。代表的な例としては、

  • 天井付近の上部空間
  • 棚の奥や下段の取りにくい部分
  • 通路幅が広すぎる箇所
  • 柱の周辺や壁際のスペース

があります。これらの空間は、工夫次第で有効に活用できる可能性を秘めています。


デッドスペース活用のメリット

倉庫内のデッドスペースを有効活用すると、次のようなメリットがあります。

  1. 保管容量の増加
     既存の倉庫面積を変えずに収納量を増やせます。
  2. コスト削減
     新たに倉庫を借りたり建設したりするコストを抑えられます。
  3. 作業効率の向上
     デッドスペースを整理し、商品を適切に配置することで、作業動線がスムーズになります。
  4. 安全性の向上
     不安定に荷物を積み上げることなく、計画的に収納できるため事故防止につながります。

デッドスペース活用の具体的な方法

1. 上部空間の活用

倉庫の天井までの高さを活かす方法です。多くの倉庫では天井までの空間が十分にあるのに、

棚やラックの高さが低いためにデッドスペースが生まれています。

  • 背の高いラックの導入:重量ラックや中量ラックを入れ替えて、天井近くまで有効活用する。
  • 中二階(メザニン)の設置:作業フロアや追加の保管場所として利用可能。
  • 自動倉庫システムの導入:スタッカークレーンなどで高層の棚を活用し、縦方向の保管効率を最大化。

2. 棚の奥行き・下段の見直し

棚の奥にある商品は取り出しにくく、結果的にデッドスペース化しがちです。

  • 可動式ラックやスライド棚を活用し、奥の商品も容易に取り出せるようにする。
  • 使用頻度の低い商品を奥や下段に配置し、出荷頻度の高い商品を手前や中段に置く。

3. 通路幅の最適化

安全のために広めに取られた通路も、場合によっては無駄なスペースとなっていることがあります。

  • フォークリフトのサイズに合わせた通路設計を行う。
  • 狭通路用フォークリフトやリーチ式フォークリフトを導入することで、通路幅を狭めても作業可能に。

4. 柱や壁際のスペース活用

柱の周りや壁際は、パレットや商品が中途半端に置かれがちなデッドスペースです。

  • 専用の棚やラックを設置して、隙間に合った収納を実現。
  • 小物用の棚や部品用ボックスを設置して、細かい商品を効率よく整理。

5. 出荷頻度に応じた配置の見直し

デッドスペース対策は単なる空間利用だけではありません。

商品を「どこに置くか」で作業効率は大きく変わります。

  • 出荷頻度が高い商品は出荷口に近い場所に配置
  • 季節商品や保管期間が長い商品は奥や上部に配置
  • 動線を分析してゾーニングを行うことで、作業の無駄を大幅に削減できます。

6. 移動式ラックや回転棚の導入

  • 移動ラック:通路を最小限に抑え、必要なときだけ通路を確保。
  • 回転棚(カルーセルラック):人が動くのではなく棚が回転して商品を取り出せる仕組み。

これらを導入することで、限られた床面積でも効率的に保管できます。


活用事例

事例1:メザニンフロアで収納力を2倍に

ある物流会社では、天井高7mの倉庫に中二階を設置しました。その結果、同じ面積のまま保管容量を約2倍に拡大。作業フロアも増え、ピッキング作業の効率も上がりました。

事例2:通路幅を見直してパレット保管数を増加

フォークリフトを狭通路対応型に切り替え、通路幅を1m縮小。結果的に、1フロアで50パレット分の追加保管が可能となりました。

事例3:出荷頻度別配置で作業時間を短縮

出荷頻度の高い商品を出荷口付近に集約。ピッキング作業の移動距離が減り、作業時間が約20%短縮されました。


デッドスペース活用の注意点

  1. 安全性を最優先に:高所利用では耐荷重や耐震性を十分に確認すること。
  2. 動線の確保:スペースを詰め込みすぎると、かえって作業がしにくくなるため注意。
  3. 投資対効果の検証:ラックや設備の導入コストと、保管効率の改善効果を比較して判断すること。

まとめ

倉庫のデッドスペースは、工夫次第で大きな可能性を秘めています。

上部空間や通路、柱周りといった「見逃されがちな場所」を活用するだけで、

倉庫全体の収容力や効率が大幅に改善されるケースも少なくありません。

さらに、出荷頻度に応じた配置や移動ラックなどの導入によって、

作業効率の向上やコスト削減につなげることができます。

倉庫スペースの課題を抱えている場合は、まず身近なデッドスペースを見直してみることが第一歩です。新たな倉庫を借りる前に、既存の空間を最大限に活かす工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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